こんにちは、Rossi(ろっし)です。
人生100年時代と言われて久しくなり、生きていく中で何度かキャリアチェンジすることも普通になってくると言われています。
キャリアチェンジとまではいかなくても、ビジネスをしていく上では新しいことに挑戦して、自分を変えていく必要があります。
でも、挑戦しないといけないことは分かっていても、なかなか新しいことに挑戦するのは勇気がいります。趣味ならばともかく、成果が問われる仕事においては結果を意識しすぎて、ある程度見通しがたつ仕事ばかりをやってしまうことも多いかと思います。私もそういう思考に陥ってしまうことがままあります。
これからは何回かに分けて、挑戦していくためのマインドについて考えてみたいと思います。
そして、その1回目は「完璧主義」です。
「何事も完璧にしないといけない」「やるなら絶対100点を獲らないといけない」と、完璧主義に陥ってしまうと、失敗が怖くなってしまい挑戦できなくなってしまいます。
几帳面な人、責任感の強い人、受けた仕事はこなそうとする誠実な人。こういった仕事にはプラスに働きそうな特徴のある人も、自分に完璧を求めるあまり、仕事に対する充実感をえられなかったり、終わりのないプレッシャーから疲弊していくことが多いとされています。
完璧主義は、日々1歩1歩考え方、捉え方を確認することでやめることができます。
あなたも、完璧主義を捨てて大胆に挑戦できる人になってみてはいかがでしょうか?
エンジニアが考える、完璧主義をやめる方法7つ
私が考えた、完璧主義をやめる方法7つは以下になります。
- 自分がなぜ完璧主義になってしまったのか、胸に手を当てて聞いてみる。
- 80点で自分を褒める習慣を。
- 減点法式ではなく、加点方式でものごとを考えよう。
- 例えば、桃太郎はなんで鬼ヶ島に行ったのか?目的を再認識しよう。
- 物事に優先順位と制限時間をつけよう。
- 人の評価や結果は気にしない。自分ができることをどれだけやったかで評価する。
- 完璧主義を「完璧に」治そうとしないこと。
以下ではそれぞれの項目について、なぜそういう心構えが良いか深堀していきたいと思います。
1.自分がなぜ完璧主義になってしまったのか、胸に手を当てて聞いてみよう。
完璧主義な人への質問として「あなたはいつから完璧主義ですか?」と聞いてみたとします。
おそらくほとんどの人は幼少期から完璧主義だったのではないでしょうか。昔は適当な性格だったのに、大人になってから完璧主義になった人、というのを筆者は知りません。
完璧主義に陥ってしまう人は、幼いころに何でも完璧にやらないと褒めてもらえなかった記憶が心の奥深くにあることで、大人になっても完璧を目指す習慣がやめられないとも言われています。
筆者もどちらかというと子供の頃は優秀だったのですが、学校でもらう通知表の中で「整理整頓をする」という項目にいつも「がんばろう」(つまり出来ていない)という評価がついていたことを覚えています。
日本の教育の弊害なのかもしれませんが、子供のころから悪いところを治そう、苦手を克服しよう、弱点をなくそうという教えを受けてきたような気がします。いわゆる減点法で何もかもを判断してしまうのです。
筆者も通知表にいろんな項目があったはずなのですが、「できる」という評価がついていたところについては記憶がありません。ただひとつできなかった「整理整頓をする」という項目のことだけが残っています。「これを治して完璧にならなければ!」という脅迫観念が、強いていえば完璧主義の原点だったかもしれません。
学校に限ったことではないですが、日本では失敗をしないこと、失敗ができるだけ少ないこと、が優秀だとされてきました。今ではこの風潮は少しずつ変わっているのかもしれませんが、ちょっとやそっとでこの国民性は変わりそうにありません。
ただ、人間というのは原因が分かっただけでも、安心でき、その症状が緩和したりするものです。自分がなぜ完璧主義に陥ってしまったのか、おそらくあなたは知っているはずだと思うので、いちど胸に手を当てて思いをめぐらせてみてください。
2. 80点で自分を褒める習慣を
いろんなところで紹介されている80対20の法則を利用して、100点ではなく80点で一度自分を褒める習慣をおススメします。80対20の法則は以下のようなものです。
結果の約80パーセントは、20パーセントの原因から生じるという経験則である。(中略)大きな成果をあげるには、やることを減らすに限る。「決定的に重要な小数のこと」に絞ったときに、少ない労力で大きな成果をあげられる。
完璧主義になってしまうと自分が100パーセントだと思うところまで頑張り続けてしまいます。でも、現実は100点のものばかりで構成されているかというとそうではないはずです。そもそも100点、完全無欠の人間やサービスや仕事というのはあるのでしょうか?筆者はそんなものこの世にはないと思っています。そんなありもしない100点を目指して疲弊し、90点とか95点くらいまで取れているのに、「自分はあと5点も足りない」と考える人生はしんどいですね。
80対20の法則は、本当に重要なこと20%に努力を集中すれば約80パーセントの成果を得られることができる可能性があることを示しています。正確に80パーセントではないかもしれませんが、その80点で顧客満足が得られたり、市場でサービスが受け入れられるのであれば、仕事としては合格点だということになります。
重要なところ20%に収集して努力し、ある程度の成果が出たところで、一度自分を褒めるようにしましょう。
3。減点方式ではなく加点方式で考えよう。
以下のような2人の人を考えてみましょう。
- 仕事をやって8割の出来だったひとが「あとの2割が達成できなかった」と悔やむ場合
- 仕事をやって2割の出来だったにも関わらず「自分でも2割出来た」と自信を深める場合
どちらの人が自己効力感が高いでしょうか?明らかに後者のほうが高く、次から次へと挑戦していける可能性があります。
できなかったほうに意識を向けると自己否定の感情が生まれてしまいます。なぜもっとうまく出来なかったのか…。完璧に仕事が出来たとしても「何もミスすることなく」仕事ができたと、「ミスをしなかったこと」を考えてしまいます。したがって、自分ができたことによる満足感が得られないのです。
一方出来たことに意識を向けられる人は、どうでしょうか?最初のうちはなかなか評価されないかもしれませんが、「出来た!」という充実があるためにどうやったらもっと成果が上がるか?とポジティブなフィードバックが生まれます。
ぜひ、できなかったことよりも「やってみて上手くいったこと」に意識をフォーカスしてみてください。
4. 目的を再確認しよう
そもそもの目的が何だったのかをたびたび確認するようにしましょう。
ここでひとつクイズです。
Q:桃太郎が鬼ヶ島に行ったのはなぜ?
…
- A.家出するため
- B.鬼ヶ島を理由にして、キビ団子(だんご)をたらふく食べるため
- C.犬と猿とキジを仲間にするため
- D.鬼を退治するため
答えはずばり、Dの「鬼を退治するため」です。Cの犬と猿とキジを家来にする下りはお話に入っていますが、どちらかと言えば鬼をたおすための手段であって、目的ではありませんよね。
現実の世界では、ついつい私たちは目的と手段がごっちゃになってしまうことがあります。桃太郎でいうと、鬼を退治するために家来が必要だったのに、いつの間にか家来が100匹くらいいて、家来を集めることが目的化してしまうようなことです。
たとえば、「ウェブサービスを開発してみること」が目的であるはずだったのに、プログラミングの言語を何個も学習して、無料のプログラミングサイトを何周もクリアしてしまうようなことです。学習サイトを何周もしていると勉強はしているような気になれます。
話をまた桃太郎に戻すと、現実の世界ではそもそも家来が必要なかったみたいなケースも結構あります。「桃太郎1人で鬼ヶ島に行ってみたら勝てた」みたいなケースです。もし本当に鬼ヶ島があるなら、「行ってみた」みたいなノリは許されないですが、現実の世界では、「鬼ヶ島に行ってみたら1人じゃ無理ゲーだった」のでいったん引き返す。1人じゃ無理だから「犬と猿とキジをリクルートしよう!」みたいなやり方もできるのです。
ようは「鬼が退治できればなんだっていい!」のです。この目的を見失って「ひたすら家来を集める」みたいなことを私たちはやりがちです。ましてやキビ団子を自分で作り始めたり、キビを自分で育てることろからやり始めたりしてしまうことすらあります。なにが目的だったのか?それをことあるごとに確認してみてください。
5.物事に優先順位と制限時間をつけよう
完璧主義に陥ると、自分の仕事の合格点のハードルが異常に高くなってしまいます。自分の仕事に対する満足感が少なく、やる気が続きません。
ここでは、仕事の完成度ではなく、優先度と制限時間を設けて、優先度の高いものからやる。制限時間を設けてやる、ということを意識してください。
- 10個のテーマのうち、優先順位の高い2つか3つ目までは必ずやり遂げる。
- 1日の作業時間は3時間まで
という具合に、目標と制限を同時に設定すると良いと思います。先の項でも80対20の法則を紹介したとおり、優先順位が10個あるとしたら、上位から2つまたは3つの項目である程度目標がうまくできれば、自分が目標とした全体の成果のうち、8割程度はそこで成果が出せるか、その見通しがたてられることが分かると思います。
6.人の評価や結果は気にしない。自分ができることをどれだけやったかで評価する
「1.自分がなぜ完璧主義になってしまったのか、胸に手を当てて聞いてみよう。」でも述べましたが、完璧主義の人は幼いころに完璧じゃないと褒められなかった、というのがトラウマのようになっていることがあります。こういったひとは人からの評価を気にしたり、人からの評価を怖がっていたりすることが多いです。
ひとからの評価というのは自分ではどうしようもありません。自分ではコントロールしようのない「他人の評価」に左右されるのではなく、自分の責任で目標をたてて、その達成のためにどれくらい努力したり、工夫をしたかで自ら評価を下すというのが望ましいと思います。
完璧主義の裏に人に、「批判されたくない」「人に自分の仕事についてとやかく言われたくない」という守りの姿勢が隠されていることがあるのです。
7.完璧主義を「完璧に」治そうとしないこと。
完璧主義であることによって、自分の評価を人にも押し付けてしまい、楽をしようとする人が許せなかったりして、人間関係にも悪い影響を及ぼすことがあります。また、自分の仕事に対する満足度がいつも高い訳ではないため、自己肯定感が低いことが難点です。
一方仕事において責任が強く、成果物のクオリティは高い水準であることはいいことです。必ずしも仕事で完璧を目指すことが悪いわけではありません。エンジニアの世界でいううと、検証やソフトウェアのデバッグといった工程は根気強く不具合の原因を突き詰めていく姿勢が求められます。
したがって、完璧主義を勧善懲悪の価値観で「悪」と決めつけるのではなく、時と場合によってはプラスに働くということも理解しておくと良いと思います。必要以上に努力してしまい、自分を追い詰めないように、力を抜いてもよいところ、ある程度失敗して当たり前の状況を見極めること通して、少しずつ自分の失敗を許せるようになると良いでしょう。
完璧主義を100%治そうと思っても責任感の強い人には、そもそも難しいことです。プラスに働く場面があると気楽に考えて、ここぞという時以外は、全力を尽くさない自分というのも受け入れるようにしていけば、不思議の仕事の満足度は下がらないものです。
完璧主義をやめる方法7つのまとめ
ここまで、完璧主義をやめる方法7つを考えてみました。
- 自分がなぜ完璧主義になってしまったのか、胸に手を当てて聞いてみる。
- 80点で自分を褒める習慣を。
- 減点法式ではなく、加点方式でものごとを考えよう。
- 例えば、桃太郎はなんで鬼ヶ島に行ったのか?目的を再認識しよう。
- 物事に優先順位と制限時間をつけよう。
- 人の評価や結果は気にしない。自分ができることをどれだけやったかで評価する。
- 完璧主義を「完璧に」治そうとしないこと。
完璧主義の考え方でがんじがらめになってる方は、是非これらの考え方を日頃の生活や仕事に役立ててみてほしいと思います。
次回は「ブレークスルーには必ずついてくる不安や恐怖」というお題で考えてみたいと思います。
ではでは~。