プログラミング

『背水の電子工作プログラミング』【4日目】PC以外に必要となるツール4選

mbed対応ボード

こんにちは、Rossiです。

 

 

今回は、当講座『背水の電子工作プログラミング』を進めるにあたって必要となる4つのツールについてご紹介します。

 

電子工作はPCだけで完結するプログラミングとは異なり、いろいろと道具が必要になってきます。

 

勢いあまって道具をそろえるのも悪くはないのですが、必要以上に高価な機材を購入してしまい、使い方を理解できないとなると、モチベーションまで下がってしまう、という事態にもなりかねません。

 

必要となるツールについては前もってよく把握しておくようにしてください。

 

当講座を進めるにあたって必要になるのは次の4つの道具です。

 

 

  1. mbed LPC1768本体
  2. USBケーブル
  3. 拡張ボード 
  4. ACアダプタ

 

特に前半の2つ、mbed本体とUSBケーブルに関しては最初のLEDチカチカのプログラムを動かすうえで必要になるので、mbedで開発を進めていく上では必須になるかと思います。

 

後半の拡張ボードやACアダプタは、基本的な機能が作れるようになったのちに、LCDを使って何かを表示したいとかネットワークを使って他の機器と接続したいなど機能を拡張したい場合に使用します。

 

後半の2つのツールについては、学習を進めていく上で必要になったタイミングで購入するのでかまいません

 

4つ目のACアダプタ等は、購入に関して結構注意すべきポイントが多いので、そのあたりも紹介したいと思います。

mbed LPC1768本体

まず絶対に必要になるのが、mbed LPC1768の本体です。以前にも紹介しましたが、このボードは東京では秋葉原、大阪では日本橋などの専門店にしか売っていないと思われますので、多くの方にとってはネットで購入するというのが無難だと思います。

mbed対応ボード

私は以下のようなサイトをよく使います。いずれも電子工作を進めていく上で必要になるツールやデバイスがそろっていますので、この際にアカウントを作ってみてもよいのではないかと思います。

RSコンポーネンツ

秋月電子通商

スイッチサイエンス

(注:スイッチサイエンスでは、2020年10月14日現在で在庫が0になっています)

2. USBケーブル

USBケーブルは、mbedにプログラム(実行ファイル)を転送したり、シリアル通信と呼ばれる簡単な通信を行うときに必要となります。また、mbed LPC1768単体で使用する際には、パソコンのUSBポートから電源を供給して動かすことができますので、USBケーブルも必須のツールといえます。

USBケーブルのコネクタにはタイプがあり、タイプを間違えると接続ができませんのでご注意ください。

パソコンにUSB2.0やUSB3.0のUSBコネクタがついている方がほとんどだと思いますので、

今回はパソコンにそのようなUSBケーブルがついているとう体で話を進めます。

パソコンに接続するコネクタは通常USB Type-Aです。

以下のような形状をしています。

一方でmbed LPC1768に接続するのはMini USB Type-Bです。

 

ちまたでは略して「ミニB(ビー)」とか言われたりすることが多いです。

 

mbed LPC1768で開発をする目的であれば、片方のコネクタが「USB Type-A」、もう片方のコネクタが「Mini USB Type-B」となっているものを選ぶ必要があります。

 

長さは特に問題になりませんが、長すぎても短すぎても不便ですので、1mから2mくらいの長さのケーブルをおススメします。今回私は1.5mのケーブルを購入しました。

3.mbed アプリケーションボード

mbedアプリケーションボードは、標準的なクレジットカードサイズのコンパクトな拡張基板です。mbed LPC1768 Cortex-M3マイクロコントローラと併せて使用するように設計されています。標準的な通信ソケットと各種のオンボード周辺機器一式を搭載し、学習用途にも適しています。

もしご興味のある方は、詳細についてはWebサイトを参照してください。

テストプログラムやサンプルコードもあります

 

スイッチサイエンスのページにも記載されていますが、DCジャックの内径が1.3 mmなので、ご注意ください。

 

一般的なACアダプタの内径は2.1 mmであることが多いので、2.1mmの内径のACアダプタをお使いの方は1.3mmへの変換コネクタを使用するなどの工夫が必要です。

 

RSコンポーネンツ

 

スイッチサイエンス

4.ACアダプタ

 

最後にACアダプタを紹介します。

 

以外と難しいのが、ACアダプタの選定です。いくつか選ぶポイントがあり、これらのポイントを外してしまうと購入したのに使えないということがあります。

 

ACアダプタとは言え、それなりに値段もしますし、時間を無駄にすることのないようにぜひ以下のポイントを押さえておいてください。

 

  • 電源電圧
  • 最大電流(または電力)
  • コネクタの形状
  • センタープラスかセンターマイナスか

電源電圧

まず、①の電源電圧から説明します。購入予定のmbedアプリケーションボードの仕様からこのボードは6~9V(DC)で動作することがわかります。(スイッチサイエンスのサイトを参照しました)

 

電圧(でんあつ、英語: voltage)とは直観的には電気を流そうとする「圧力のようなもの」だそうです。

何かダムのようなものを思い浮かべてもらうと良いのですが、高さのあるダムほど大量に勢いよく水を放出できます。電子工作の世界では、ひとまず「電圧が大きければ大きいほど大きな電流を流すことができる」と直感的に理解していただければよいです。ダムでいうと、高さが電圧に相当するようなイメージです。

基準となるところからどれくらい電圧差があるかは、V(ボルト)という単位で表記します。

今回のmbedアプリケーションボードは、6~9Vとなっていますので、この範囲内の電源を供給しなくてはなりません。一般的に売られているACアダプタだと、6Vや7.5V、9VのACアダプタが販売されています。

 

今回はスイッチサイエンスに9VのACアダプタが売られていたので、こちらを購入することにしました。

 

スイッチサイエンス

 

ただし、後のコネクタの形状でも説明しますが、販売されているACアダプタの形状がφ2.1mm(内側の直系が2.1mm)のコネクタであるにもかかわらず、mbedアプリケーションボードのコネクタはφ1.3mmとなっていますので、コネクタの形状が合致しません。当然ですが、これでは電源が正しく供給できません。

 

この場合、以下のようにφ2.1mmのコネクタをφ1.3mmに変換するためのコネクタが必要です。

 

スイッチサイエンス(変換コネクタ)

最大電流

 

通常電子工作においても、電源を供給して動かすことで、各ICや抵抗などの素子に電流が流れることを意味しています。

 

たとえば、LEDには通常数mA~十数mA程度の電流が流れます(mAはミリアンペアと読み、1Aの1/1000を表します)。

 

仮に10個のLEDを制御すると仮定して、1個当たりの電流消費量が10mAだった場合,

 

10×10mA = 100mA

 

の電流が流れることになります。その他、CPUで100mAとか、無線通信に必要なICに200mAとか、各デバイスに必要な電流の合計でボードで消費する電流が決まります。

 

ボードや電源電圧にもよりますが、規模の小さな電子工作であれば、1.0A(アンペア)もあれば十分だと思います。

 

今回購入したACアダプタも最大で1.3Aの電流を流すことができるので、電流に関しては安心して使えると思います。

のコネクタ形状

 

コネクタ形状で注意すべき点としては、コネクタの径です。たいていは丸い棒のようなものが先端についていて、その円の内径(内側の直径)と外径(外側の直径)が記載されていることが多いです。

 

今回使用する予定のACアダプタの仕様には

 

  • プラグ: 内径:2.1mm、外径:5.5mm、センタープラス

と書かれていますので、内径が2.1mmだと判断できます。これをφ1.3mmのコネクタ形状に合わせる必要があるため、追加で変換コネクタを購入することにしました。

センタープラスorセンターマイナス

「センタープラス」とは何でしょうか。

 

今回のACアダプタの仕様のところで、センタープラスと書かれています。

センタープラスのほかにセンターマイナスというタイプのACアダプタが存在します。

 

このセンタープラス、センターマイナスというのはどういう意味なのでしょうか。

手元にあるACアダプタの先端の部分を見てみましょう。

写真の銀色の部分は金属なので、電気を通す部分なのですが、先端部分は黒い樹脂で電気が通らないように絶縁されているのがわかるかと思います。

 

センタープラスというのは、中心部分(つまりセンター)が+(プラス)電圧で外側がマイナス(電圧基準となる0V)の端子となります。

 

逆にセンターマイナスの場合は、中心部分(センター)が0V、外側の部分が+電圧が印加されます。

 

これを間違えると、電源のプラスマイナスを逆に供給することになってしまうため、最悪の場合ボードを壊してしまうことになります

 

では、センタープラスかセンターマイナスを選ぶかはどう判断すれば良いのでしょうか。

 

回答としてはボードや機器に記載されていることが多いので、まずは現物を確認しましょう、ということになります。例えば以下のようにボードに記載されていることがあります。

今回のmbedアプリケーションボードでは、スイッチサイエンスのページに記載されていた回路図から、当ボードがセンタープラスであると判断しました。

 

今回の記事をまとめるとすると以下のようになります。

 

当講座『背水の電子工作プログラミング』を進めるにあたって必要になるのは次の4つの道具です。

  1. mbed LPC1768本体
  2. USBケーブル
  3. 拡張ボード(mbed アプリケーションボード) 
  4. 4. ACアダプタ

 

また、4.ACアダプタの選定にあたっては以下のことに気を付ける必要があります。

 

  • 電源電圧(何Vの電圧を供給できるか)
  • 最大電流(何Aの電流を流すことができるか)
  • コネクタの形状(例:φ2.1mm)
  • センタープラスかセンターマイナスか

 

では、次回はサンプルアプリケーションのLEDチカチカがどのような原理で動いているかを詳しく見ていきたいと思います。